世界を欺く「政治ショー」南北首脳会談
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世界を欺く「政治ショー」南北首脳会談

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が、軍事境界線にある板門店で会談した。最大の焦点は「朝鮮半島の非核化」だが、具体的な方向性を打ち出せるかは不透明だ。南北融和を演出する「政治ショー」に終わる可能性もある。10年半ぶり3回目の南北会談、世界の思惑を読む。

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が、軍事境界線にある板門店で会談した。最大の焦点は「朝鮮半島の非核化」だが、具体的な方向性を打ち出せるかは不透明だ。南北融和を演出する「政治ショー」に終わる可能性もある。10年半ぶり3回目の南北会談、世界の思惑を読む。

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2017年5月、韓国の故盧武鉉大統領の追悼式で、追悼の辞を述べる文在寅大統領=韓国南部金海(共同)
 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の南北首脳会談が27、28日に板門店で開かれる。その後に米朝首脳会談が予定され、中国の習近平国家主席の訪朝観測もあるなか、文政権はどのような思惑で会談に臨むのか。
 文大統領にとって、「南北統一」は金看板だ。そのための手法が南北連邦制である。朝鮮半島で「1国家2体制2政府」とし、南北の地方政府がそれぞれ国防、外交権を持つ構想で、地方政府の上位に、連邦国家の中央政府が位置する。表向き南北で対等に見えるが、文大統領の一派は、韓国そのものを北に渡してもいいという強い信念を持つといわれる親北勢力だ。南北連邦制によって韓国が北朝鮮にのみ込まれ、同化することを望んでいると筆者はにらんでいる。
 このため、北朝鮮と中国が接近していることは好都合である。なにしろ、文大統領は昨年12月、中国を訪問した際、韓中関係は「運命共同体」とまで言い切ったくらいだ。南北統一後も、中国と運命共同体でありたいと考えるなら、南北首脳会談の際、北朝鮮とともに中国との友好アピールを演出し、あたかも「同盟国」のように振る舞うだろう。
 北朝鮮と中国が合意している「朝鮮半島の段階的な非核化」についても韓国は基本的に歓迎するだろう。「段階的」とは「時間をかける」という意味だが、「時間稼ぎ」という意味もある。しかも、北朝鮮と中国は指導者の任期はない。これに、大統領任期が1期5年と定められている韓国が乗ることはかなり危険であるが、文大統領は「段階的」を逆手に取る形で憲法改正を行い、任期の2期8年への延長をもくろんでいる。3月26日には憲法改正案を国会に提出した。
 「朝鮮半島の非核化」は、北朝鮮の非核化のみならず、在韓米軍撤退も含まれているが、これも、文大統領が描く「中国と運命共同体となっての南北統一」には不可欠な要素なのだ。
 文政権は、大統領任期を2期8年にして、韓国を資本主義国から社会主義国へ転化し、最終的には南北連邦制によって、北朝鮮への同化を目指すのではないか。そのためには、在韓米軍は撤退してもらうことが好都合だ。そこで、朝鮮半島の平和という大義名分を掲げ、南北首脳会談でそのための一歩を踏み出す可能性が高いように筆者には思える。
 少なくとも米国向けには、「朝鮮戦争の終結」というコンセプトを打ち出し、「それを達成できたトランプ大統領」という持ち上げ方をするだろう。長年休戦状態だった朝鮮戦争を終わらせるには時間がかかると言って、「段階的」を正当化し、「朝鮮半島の非核化」を「朝鮮半島の平和」と置き換えることを狙っているのではないか。その平和ムードのなかで、米朝首脳会談を行わせ、間接的に北朝鮮の援護をするつもりだろう。(元内閣参事官、嘉悦大教授・高橋洋一、zakzak 2018.04.25

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