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テレビの公平性ってなんだ!?
公共の電波を使って、毎日のように偏向番組を垂れ流す日本のテレビ局がビビるのも無理はない。政府内で検討が始まった放送制度改革だが、中でも注目されるのが放送局に政治的公平などを義務付けた放送法4条の存廃である。大メディアはなぜ「撤廃」に猛反発するのか。議論の核心を読む。
公共の電波を使って、毎日のように偏向番組を垂れ流す日本のテレビ局がビビるのも無理はない。政府内で検討が始まった放送制度改革だが、中でも注目されるのが放送局に政治的公平などを義務付けた放送法4条の存廃である。大メディアはなぜ「撤廃」に猛反発するのか。議論の核心を読む。
真の目的は放送法撤廃?

スマートフォンで見られるネットテレビ(左下)と
従来型のテレビ受信機(右下)のコラージュ
安倍晋三首相が放送法の改正を考えている。いや、というよりも、放送法自体の撤廃を考えているのかもしれない。2月6日の衆院予算委員会で、「ネットは自由な世界であり、その自由な世界に、規制を持ち込むという考え方は全くない。であるならば、放送法をどうするかという問題意識を持っている」などと発言しているからだ。
ひょっとしたら、「安倍批判」「政権批判」が目につく現在のテレビやラジオに、安倍首相は不満を持っているのかもしれない。だからといって、安易に放送法の撤廃を、していいものだろうか。なかでも、放送法第4条は、以下のように定めている。
(1) 公安及び善良な風俗を害しないこと
(2) 政治的に公平であること
(3) 報道は事実をまげないですること
(4) 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
(2) 政治的に公平であること
(3) 報道は事実をまげないですること
(4) 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
この第4条が撤廃されてしまったら、安倍首相の気に入るような偏った内容の放送が増えるだろう。また、根拠の不確かな、いわゆる「フェイクニュース」が氾濫するのではないか、という恐れもある。
野田聖子総務相は、「撤廃した場合には公序良俗を害するような番組や事実に基づかない報道が増加するなどの可能性が考えられる」と、撤廃に慎重な姿勢を示している。 メディアも、言論の自由を脅かすものだとして、当然のことながら大反対だ。
例えば、民放連の井上弘会長は、「フェイクニュースへの対応が、世界的に共通の社会問題になってきた昨今、バランスの取れた情報を無料で送り続ける放送の役割は、これまで以上に重要になっている」と発言している。
こうした反対の声を、安倍首相はどう聞くのか。内閣は、相当に強硬姿勢のようだ。もちろん放送法の中でも、規制緩和すべきであったり、見直したほうがよい点もあるだろう。
だが「撤廃」については、慎重に考えてほしい。僕は、メディアの世界でずっと生きてきた。そんな僕にとって、看過できない大問題なのだ。(田原総一朗ブログ 2018.04.14)