『笑点』の安倍ネタは笑えない?
4185

『笑点』の安倍ネタは笑えない?

日曜夕方のお茶の間で人気の『笑点』(日本テレビ系)がネットで炎上した。発端は名物コーナー「大喜利」で落語家が政権批判をネタにしたことだった。「この程度のネタは昔からよくあった」「そもそもネタとして笑えない」。意見が分かれる今回の炎上騒動を機に、お笑いと政治風刺を考えてみたい。

日曜夕方のお茶の間で人気の『笑点』(日本テレビ系)がネットで炎上した。発端は名物コーナー「大喜利」で落語家が政権批判をネタにしたことだった。「この程度のネタは昔からよくあった」「そもそもネタとして笑えない」。意見が分かれる今回の炎上騒動を機に、お笑いと政治風刺を考えてみたい。

『笑点』論法を許すな

「反権力は落語の伝統です」

「メタ認知」を高めよ

社会学者が読み解く

芸人にとって「権力」とは

創作落語を熱演する三代目桂春蝶
=2015年7月(南雲都撮影)
 子供が幼稚園の年長くらいとなりますと、ママ友同士の会話で「旦那の職業の探り合い」みたいなものが始まるそうです。医者や弁護士、パイロットの奥様などは、どこか得意げだとか。
 ですが、うちの嫁は「落語家」と言うのが恥ずかしかったようで、「旦那様は、どんなお仕事をなさっているの?」と聞かれて、何と答えが「日雇いです」だったんです(笑)。さらに、「どんな日雇いですか?」と聞き返されて、「伝統的な日雇いです」。もうあれには笑ってしまいましたね。
 確かに、芸能界は1つ1つ歩合の仕事で、究極の「日雇い労働者」。方々に敵をつくることは得策ではありません。特に、企業や広告代理店、そして、最もうまく付き合っていきたいのはマスコミ業界です。芸の質を上げて、空気を読み解き、人間性も高めてゆく。それは、「マスコミでの露出を多くして、ファンを増やすため」と考える芸能人は少なくないと思うのです。
 でも、芸人はどこかに反骨精神があり、権力を風刺する毒っ気も必要です。体制への迎合主義じゃ、ファンも魅力を感じないでしょうね。そんな人は、みなさん会社内で見飽きているでしょうし(笑)。
 そこで考えたいのですが、今、芸人にとっての、そして大衆にとっての「権力」とは何なんでしょうか? 政治ですか? 政権ですか? 安倍晋三首相を風刺してもお咎(とが)めはありません。仕事が減ることもありません。それどころか、一部の方々に英雄扱いされ、メディアの仕事にあり付けることだって珍しくないのです。
 いわば、「反政権側コメント」は、撃っても自らは撃たれることのない、最高のコストパフォーマンスを誇る宣伝活動なのですよ。でも、それってカッコいいですかね? 政権批判なら何でもいい。「I am not Abe」と言えば、とにかくもてはやされる。
 安倍政権にも「悪い部分」と「いい部分」があるはずです。「安倍憎し」で、話をつくってでも攻撃するメディア。それに迎合する電波芸者。その情報を鵜呑みにする思考停止の人々。
 私は思う。今の時代、マスコミこそ、多くを支配する「権力」なのです。ここに「日本の闇」を感じるのは私だけでしょうか?
 江戸時代、落語家はお侍さんを茶化して笑いをとりました。手討ちされる覚悟もあったに違いありません。マスコミ批判は芸人にとって、自らを滅ぼしかねない、もろ刃の剣です。でも、それが芸人の本質であるならば、それを追い求めてゆきたいと私は考えます。(落語家・桂春蝶、zakzak 2017.12.29

政治をネタにして何が悪い!

「芸」ってなに?

『笑点』の安倍ネタは笑えない?

みんなの投票

『笑点』の政権ネタについてどう思いますか?

  • 笑える

    186

  • 笑えない

    3968

  • どちらでもない

    31