地震でパニック、迷子の猫はどうなる?
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地震でパニック、迷子の猫はどうなる?

先の大阪北部地震では、被災地域で飼い猫がパニックになり、家を飛び出すという事案が相次いだという。過去の災害現場でもペット連れの避難や置き去りが問題になった。もし再び大災害が起きたとき、ペットはどうすればいいのか。自然災害とペットという観点も踏まえ、防災の日に考えたい。

先の大阪北部地震では、被災地域で飼い猫がパニックになり、家を飛び出すという事案が相次いだという。過去の災害現場でもペット連れの避難や置き去りが問題になった。もし再び大災害が起きたとき、ペットはどうすればいいのか。自然災害とペットという観点も踏まえ、防災の日に考えたい。

「フライングキャット」相次ぐ

「生き延びたい」メッセージ

有効な「押しかけ」精神

徒歩帰宅に潜む危険

逃げた猫が帰ってこない!

 「地震に驚いて家を飛び出した猫が戻ってこない」。6月18日に発生した大阪北部地震後、ツイッターには、飼い主たちの悲痛な訴えが相次いでいた。
 「網戸を突き破ったり、開いた窓から逃げたという話は私も聞きました。猫は臆病な動物なので、急に揺れると、びっくりしちゃうんですね」。震度6弱を記録した大阪府茨木市にある保護猫カフェ「かぎしっぽ」を訪れると、店主の山中勇一さんが震災時の猫の異変を教えてくれた。足元にいた黒い猫をそっとなでてみた。地震発生からわずか4日後だけに、まだ怯えているように見えたのは気のせいだろうか。
 茨木市に近い池田市の中村緑さん(53)は、メス猫「ヨミ」が地震で行方不明になり、食べ物ものどが通らないほど落ち込んだという。
 「私にしかなつかない室内飼いの猫だったので、外では生きていけないと思って。仕事を早退させてもらって、家の周辺を探したんです。家の目の前の側溝にいるのを見つけた時はほっとしましたよ。ここにいたんかいって(笑)」
保護された保護猫と触れ合える保護猫カフェ「かぎしっぽ」の猫=2018年6月22日
保護された猫と触れ合えるカフェ「かぎしっぽ」の猫=大阪府茨木市、2018年6月22日
 最近「ペットロス」という言葉をよく聞くが、飼い主にとって、家族同然で飼育している猫が家に戻ってこないとなれば、切実な問題だろう。そもそも「迷子」になったペットは、警察で遺失物として取り扱われる。茨木署によると、地震発生から4日間に、猫15件、犬1件の遺失物届があったという。昨年1年間の猫の届け出が12件だったといい、地震の影響が大きかったことが分かる。また、環境省がまとめた「被災動物対応記録集」によると、平成28年4月に発生した熊本地震で、熊本県と熊本市が保護収容した猫は1405匹にのぼり、このうち飼い主が見つかったのはわずか11匹だったという。
 こうしたペットを探すのに一役買うのが動物専門の「ペット探偵」だ。池田市の平岡美保さん(44)は、オス猫「トラ」の捜索を探偵に依頼した。「娘は仕事を1週間も休んで、毎日猫を探しました。後悔したくなかったので、ペット探偵に頼むことにしたんです」と振り返る。その結果、自宅から200メートルの場所でペット探偵が捕獲器に入ったトラを無事に保護した。費用は計6日間の捜索で出張費も含め約12万円だったが、大切な猫と心配する家族のためなら決して高い金額とは思わなかったという。
 平岡さんが依頼したペット探偵「ジャパンロストペットレスキュー」(東京都小平市)の遠藤匡王代表によると、大阪地震だけで相談が50件以上あり、その約半数が契約に至り、捜索を行ったという(7月8日時点)。では、ペット探偵の捜索とはどういったものなのか。遠藤代表の捜索活動に同行させてもらった。
 7月8日午前0時、さいたま市中央区。静まり返った住宅街の一角から捜索が始まった。捜索は休憩を含め、午前9時まで行われる。ファイバースコープや動体検知カメラで死角になっている側溝の中などを確認。猫が潜んでいそうな場所にエサを仕掛けた捕獲器を設置するほか、情報提供を呼びかけるチラシ配りなど、本格的な捜索が行われた。
 とはいえ、そう簡単に見つかるわけではない。「いくら推理しても、猫の行動は読めません。僕らの仕事は歩くのが基本なんです」と遠藤代表が語るように、とにかく周辺を歩いて歩いて歩きまくる地道な作業が続く。1回の捜索で20~30キロは歩くのだという。午前5時まで捜索に同行したが、かなり体力が必要だ。この日は猫を発見できなかったが、7日後に捕獲器で保護された。
 このように、猫の捜索は相当な労力や費用がかかるのが現状だ。「よくある横開きの窓は、鍵をかけていないと地震で開いてしまいます。日頃から鍵をかけたり、家具の転倒防止など、猫のケガを防ぎつつ、脱走を防止することが大切でしょう」。猫専門の動物病院、東京猫医療センターの服部幸院長は、ペットの防災対策の重要性をこう語る。
 昨年末の全国犬猫飼育実態調査(ペットフード協会)では、初めて猫の飼育数が犬の数を上回ったという。一人暮らしでの飼育も増えている。人の防災対策は言うまでもないが、大切なペットを守るために、その習性をよく理解し、災害への備えをしておきたい。(文と写真/iRONNA編集部、川畑希望)

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