ノーベル賞狂騒曲、もうウンザリです
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ノーベル賞狂騒曲、もうウンザリです

ノーベル賞を受賞しただけで、これほどバカ騒ぎする国が他にあるのだろうか。むろん、日本人の受賞は喜ばしいことだが、マスコミは受賞理由などそっちのけで、当人や家族をただ追いかけ回す。本当はすごい研究成果のはずなのに、新聞さえもワイドショーのノリで報じる。ノーベル賞狂想曲、もうウンザリです。

ノーベル賞を受賞しただけで、これほどバカ騒ぎする国が他にあるのだろうか。むろん、日本人の受賞は喜ばしいことだが、マスコミは受賞理由などそっちのけで、当人や家族をただ追いかけ回す。本当はすごい研究成果のはずなのに、新聞さえもワイドショーのノリで報じる。ノーベル賞狂想曲、もうウンザリです。

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「油断」が招くレベルダウン

 文部科学省所管の科学技術振興機構の調査結果が発表された。他の論文に引用された回数から、影響力で上位10%の論文を発表した学者がどこの国に属するかの調査だが、それによると中国がコンピューター科学・数学、化学、材料科学、工学で世界トップに立ち、主要8分野のうち4分野が中国、残りの4分野はアメリカがトップになっているという。日本はほとんどの分野で5~6位に甘んじている。
 中国や韓国が「ひっくり返っても日本に勝てない」という楽観論はいまだに根強くある。経済については「悲観心理」が余計に不況を引き起こす側面があるので、楽観を抱くことにはある程度、意義もあろう。しかし、研究や教育に関しては「まだ大丈夫だ」という油断がレベルダウンに直結してしまう。
記者会見場に向かう本庶佑京都大特別教授=2018年10月1日
 日本は毎年のようにノーベル賞を取るが、中国は取れないということを根拠に、そういうことを言う人が多い。しかし、ノーベル賞の多くは10年、場合によっては何十年も前の業績を対象にしたものである。その時代の日本の科学技術の水準の高さを示すもので、現在の水準を示すものではない。
 東大卒や東大教授が、受験に受かったときや教授になったときは優秀であるかもしれないが、その10年先、20年先の学力の高さは保証されるものではない。その後、ろくに勉強しなければ、ただの人である(東大教授になってしまえば論文を書かなくても定年までクビにならない)。
 かつて日本のスーパーコンピューターの性能が世界1位だったころ、「2位ではいけないのか?」といって科学研究費を削減しようとした民主党のリーダーがいた。現実には2013年から中国が1位になり、日本は2位にすら入っていない。
 中国の研究費は約38兆円で日本の2倍になっているが、国力の維持のために、何をおいても日本はもっと多くのお金をつぎ込むべきだろう。また、各種調査で子供の勉強時間が、中国や韓国の子供と比べて、はるかに少ないことが明らかになっている。
 1990年代の半ばに、日本の平均的な中学生の数学力が韓国や台湾に抜かれた。そのとき、「このままでは20年後には、日本がITなどの分野で韓国や台湾に抜かれかねない」と私が主張したら、当時の学者や文部省から一笑に付され、2002年からは逆に「ゆとり教育」が導入された。
 その後、iPhoneを台湾が作り、台湾の会社がシャープを買収し、日本のスマホやパソコンは韓国のサムスンに勝てないという事態が生じている。
 現在の日本人はペーパーテスト学力は高いが、表現力や創造性が足りないという理由で、20年度からは全ての国立大学をAO入試化するような答申が出され、施行の方向に向かっている。
 しかし、私には日本の子供のテスト学力が高いとはとても思えない。少子化や大学定員の増加でむしろ学力は下がり続けている。中国やアメリカをはじめとする欧米諸国では、初等・中等教育はむしろ詰め込み教育にかじを切り、表現力や創造性のトレーニングは大学に入ってから本格的に始める。しかし、日本は大学教授が審議会の委員を握り、自分たちの保身のため大学教育を変えようとせず、大学入試のほうを変えようとする。本当にこれで大丈夫だと思っているのだろうか。
 日本が中国や韓国から劣等視されるようになれば、このような教育改革を断行した安倍首相の最大の汚点となりかねない。私が危機を感じるのは、日本の「国家的油断」が招く結末である。(精神科医、国際医療福祉大学教授・和田秀樹「正論」 産経新聞 2017.07.10)

本庶氏と山中氏が電話対談

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