場外大激論! どうする「ふるさと納税」
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場外大激論! どうする「ふるさと納税」

制度発足から10年を迎えた「ふるさと納税」が岐路に立っている。自治体間で過剰になった返礼品競争に総務省が「待った」をかけたからだ。この議論をめぐり、納税額日本一の大阪府泉佐野市長と、税収流出額が全国2位の東京都世田谷区長がそれぞれ手記を寄せ、iRONNAで場外バトルをお届けする。

制度発足から10年を迎えた「ふるさと納税」が岐路に立っている。自治体間で過剰になった返礼品競争に総務省が「待った」をかけたからだ。この議論をめぐり、納税額日本一の大阪府泉佐野市長と、税収流出額が全国2位の東京都世田谷区長がそれぞれ手記を寄せ、iRONNAで場外バトルをお届けする。

返礼品「3割以内」は賛同する

流出額「全国2位」の危機

「選択の自由」が制度の基軸

「公設寄付市場」の創設

「自粛」は逆効果

 千葉県館山市が「ふるさと納税」の返礼品にしてきたYOSHIKIさんプロデュースの米カリフォルニア産ワインと、さかなクンの関連グッズの扱いを取りやめた。9月11日に野田聖子総務相(当時)が会見し、ふるさと納税の返礼品を「地場産品」に限るよう改めて求めたことに対応した。
ロックバンド、X JAPANのYOSHIKI=2016年9月(南澤悦子撮影)
ロックバンド、X JAPANのYOSHIKI
=2016年9月(南澤悦子撮影)
 総務省は、返礼品を地場産品に限ることや、調達金額を3割以下に抑えること、金券や資産性の高いものは除外することなどを繰り返し「通知」してきた。それでも、従わない自治体が多くあることから、制度を見直し、従わない自治体を対象から外すことなどを検討する、と大臣が述べていた。
 金丸謙一市長は「市ゆかりの著名人の産品として返礼品にしていたが、総務省に理解してもらえなかったのは非常に残念」と語っていた。館山市は総務省の指導に従ったが、ふるさと納税獲得に向けて創意工夫してきた自治体からは反発の声も多い。特に何をもって「地場産品」とするかについて、明確な基準を設けることは難しく、不満が渦巻いている。
 昨年、全国トップの135億円を集めた大阪府泉佐野市は、副市長がわざわざ東京都内で記者会見を開き、定義があいまいな地場産品の基準を総務省が「一方的に押し付けている」と批判した。泉佐野市はネット通販ばりのウェブサイトを開設。牛肉やコメ、魚介類といった人気の高い全国の名産品を返礼品としてそろえた。これが人気を博して1年前に比べて一気に100億円も「納税」を増やした。
 確かに何が地場商品か、という定義は難しい。地元の工場で部品を作っている外国製タブレットは地場商品ではないと総務省は言うが、地元産の牛でも米国産飼料で育っている。YOSHIKIさんプロデュースのワインにしても、多くの納税者は「カリフォルニア産ワイン」が欲しいわけではなく、YOSHIKIさんというブランドに価値を置いている。地元出身のYOSHIKIさんを地域おこしに使うのがアウトというのは解せない。
 自治体はふるさと納税の返礼品選びで、地元に何らかの経済効果をもたらそうと創意工夫している。産業振興として補助金を出すよりも、人気の高い商品を返礼品用に買い上げる方が、競争も働き、地元経済の活性化につながる。
 いっそのこと、返礼品の金額を3割に絞るとか、地場商品に限るといった規制を一切やめてはどうか。むしろ返礼品を10割にしてもよい。ふるさと納税の上限はおおむね住民税の2割だから、その分を減税したと考えればよいのだ。現金で減税して貯金に回ってしまえば経済効果は見込めないが、減税分を地域から買い上げたモノで返すわけだから、消費に直結する。地方税収が増えている今ならば可能だ。
 さらに、総務省が返礼品としてふさわしくないと言っている「地域通貨」を返礼品にすれば、地元でしか使えないため、確実に地元におカネが戻って来る。地方経済をどう盛り上げるかが大きな焦点になる中で、人気のふるさと納税制度を使わない手はないだろう。(ジャーナリスト・磯山友幸 SankeiBiz 2018.10.15

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