「泣き虫先生」は時代錯誤なのか
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「泣き虫先生」は時代錯誤なのか

ラグビーファンならずとも、「泣き虫先生」と呼ばれた元日本代表、山口良治監督を知っている人は多いと思う。伏見工の不良生徒たちを率いて全国制覇したサクセスストーリーは、ドラマ『スクール☆ウォーズ』でも描かれた。とはいえ、昨今のスポーツ界はパワハラ問題が吹き荒れる。熱血指導はもう時代錯誤なのか。

ラグビーファンならずとも、「泣き虫先生」と呼ばれた元日本代表、山口良治監督を知っている人は多いと思う。伏見工の不良生徒たちを率いて全国制覇したサクセスストーリーは、ドラマ『スクール☆ウォーズ』でも描かれた。とはいえ、昨今のスポーツ界はパワハラ問題が吹き荒れる。熱血指導はもう時代錯誤なのか。

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「スポ根」の古き神々

2018年5月、会見に臨む日大アメフト部の内田正人前監督(松本健吾撮影)
 今年はスポーツ指導者の受難の年である。言うまでもなく、女子レスリングの栄和人氏に始まり、今回は日大アメリカンフットボール部の内田正人前監督である。それぞれの功罪は後の判断に任せるが、これほどまでに一線級の大物スポーツ指導者が、短い間にマスコミを大きく騒がしたことは記憶にない。
 この理由は大きく2つあると思う。まず第一に、聖域とされていたスポーツ界の「ローカルルール」が、SNSにより以前のように忖度されずに一般社会に広がるようになったことがあるだろう。
 次に、日本のスポーツ指導者というのは、“スポ根”神話に支え守られていたがゆえ、選手の扱い以外、一般社会の扱い方が極端に下手くそと言うことである。
 その2つの結果、長い間、選手を指導することしかしていないので、自分が大きく批判の対象となり、自分が指導されてしまう立場になると混乱してしまうのだろう。怒られることに慣れていないというやつだ。ある意味では、個人の資質と言うよりも、職業病なのかもしれない。
 だが同時に、スポ根神話を支えていた世間様に対しても、皆さんはそういう世界観が好きだったんじゃないの? と意地悪に問うてみたい気持ちもある。昭和のスポ根を支えたファンタジー、「巨人の星」「アタックNo.1」「エースをねらえ」「スクール☆ウォーズ」の主役ともいえる「鬼コーチたち」を見れば一目瞭然である。
 この平成末期では、「鬼コーチ」は全員パワハラで辞職は必至で、ともすれば廃部だろう。山下真司さんの演じた「泣き虫先生」なんて体罰ですぐに逮捕だ。
 だがそんな「鬼コーチ」たちのサディスティックな世界観を、私たちは喜ぶように受け入れていた。それを美徳とまでしていた感もある。
 だからなのか、高く吊し上げられたスポ根の「古き神々」の屍を見ながら、嬉々としていられない自分がいる。彼らを祭っていたのは私でもあるのだ。
 そんな平成もいよいよ終わる。後の歴史学者は、平成というのは、古きと新しきが交差した精神的乱世であったと記述するかもしれない。(俳優・大鶴義丹、zakzak 2018.05.30

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