人手不足「移民に頼らない」妙案がある
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人手不足「移民に頼らない」妙案がある

世の中、どこも人手が足りないらしい。少子高齢化と人口減少が進むわが国にとって、深刻な事態である。その解決策の一手として外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正の議論も始まった。とはいえ、昨今の人手不足感、どこまで本当なのか。すべてを疑って、一から考えてみよう。

世の中、どこも人手が足りないらしい。少子高齢化と人口減少が進むわが国にとって、深刻な事態である。その解決策の一手として外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正の議論も始まった。とはいえ、昨今の人手不足感、どこまで本当なのか。すべてを疑って、一から考えてみよう。

「外国人労働力に頼る前に」

足りないのは「働き盛り」

「解雇は悪」を変えよ

群馬「ブラジル人街」の現実

 法務省は、6月末時点の在留外国人数(速報値)が263万7251人(前年末比2・9%増)となり、過去最多を更新したと発表した。留学生や留学後に日本で就職する外国人が増えているという。折しも、政府は来年4月に新たな在留資格を創設し、外国人労働者の受け入れを拡大する方針を決めた。在留外国人数がさらに拡大することは間違いないが、新たに来る人たちは単純労働分野の働き手であるため、留学や留学後の就職者とは少々異なる人々であろう。
 現在の在留外国人を国籍・地域別にみると、中国が最多で74万1656人。近年はベトナムとネパールの増加が顕著だそうだ。一方、7月1日時点の不法残留者は、今年元旦時点から4・3%増の6万9346人。国籍・地域別では、韓国(1万2822人)、中国(9459人)、ベトナム(8296人)、タイ(6860人)が多い。増加の理由は、難民認定制度の厳格化で認定されなかった人が、そのまま不法滞在するケースが増えたという。難民認定不可でそのまま不法滞在できてしまう。こんな出入国管理で外国人労働者受け入れ拡大に踏み切って大丈夫か。
 9月3日、私がインタビューした際、安倍晋三首相はこの件に関して、次の2点を強調した。(1)出入国管理を行う組織新設(2)在留期限を設け、家族の帯同は不許可-。なるほど、と思うかもしれないが、新組織を立ち上げたら、やおら出入国管理がレベルアップし、不法滞在者が減るのか。「在留期間5年、家族帯同不許可」といっても、在留中に外国人同士結婚したらどうするのか。子供ができたら? 帯同していない家族も健康保険などの対象になるではないか、などなど疑問は尽きない。
群馬県大泉町の中には、あちこちにポルトガル語の看板がある(画像の一部を加工しています)
 先週、日系ブラジル人の町として知られる群馬県邑楽郡大泉町を訪ねた。総人口約4万人のうち18%が外国人、最多は1割を占めるブラジル人だが、今では44の国籍の外国人が暮らしているという。町は一見、日本のどこにでもある田舎町の風景だ。その中にポルトガル語の看板やカラフルな構えの店が混じるが、いたって平穏。この平穏さは地元行政の努力によるところ大だ。
 「外国人が来るということは、単に働き手が来るということではなく、人の『生き死に』が移ってくるということです」と町役場の方。過去には、事故で亡くなった人のご遺骨を国に返すことだけでも難儀し、なぜか重篤な病身で来日した人の帰国に苦労したと語る。人の生死、そのすべてを受け止めるのは、国の新組織ではなく基礎自治体だ。秋の国会では、学級会レベルの「疑惑追及」など止めて、ぜひとも、この件に関する私たちの疑問や不安を解消するような質疑と議論を、特に野党に期待したいのだが、無理な相談であろうか。(「有本香の以毒制毒」zakzak 2018.09.21)

人手不足の真因は?

「使い捨て」に待った

「劇薬」を飲むのか

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