奨学金制度は何が問題か
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奨学金制度は何が問題か

大学進学などで利用した奨学金の返済が行き詰まる「奨学金破産」が増えているという。「奨学金というシロアリが社会を食い荒らす」。制度へのこうした批判が相次ぐ中、日本学生支援機構(JASSO)の遠藤勝裕理事長がiRONNAに反論手記を寄せた。ニッポンの奨学金制度は何が問題なのか。

大学進学などで利用した奨学金の返済が行き詰まる「奨学金破産」が増えているという。「奨学金というシロアリが社会を食い荒らす」。制度へのこうした批判が相次ぐ中、日本学生支援機構(JASSO)の遠藤勝裕理事長がiRONNAに反論手記を寄せた。ニッポンの奨学金制度は何が問題なのか。

「給付型は理想論に過ぎない」

「法的にはセーフでも」

ぬぐえない罪悪感

「合理的借金」の問題

 近年、大学などに進学するにあたって奨学金を利用する学生が増えている。一方で、卒業後に奨学金の返済に苦労するケースが少なくない。奨学金の利用をどう考えたらいいのだろうか。奨学金の利用に関しては、わりあい意見が割れている。若者が借金を背負って社会に出ることをかわいそうだという意見もあれば、利用できる制度があるのだから利用した方がいいという意見もある。筆者は、奨学金の利用に関して比較的肯定的だ。
 奨学金は、「借金」としてその良し悪しを評価すべきだが、借金には、「良い借金」と「悪い借金」がある。良い借金とは、借金を利用することで得られるメリットが借金のコストとリスクのデメリットを上回る計算が立ち、同時に金利などの借り入れ条件が悪くない借金だ。事業の利益の計算が十分できる投資に対して、企業がお金を借りるのは良い借金の一例だ。企業の場合、ROE(自己資本利益率)を上げるために、借り入れが奨励される場合もある。
 大学などに通う学生が利用できる奨学金は、日本学生支援機構のものが代表的だ。同機構は有利子だが、無利子の奨学金(第1種)よりも審査条件が緩い第2種奨学金の2017年の奨学生に適用される利率は固定金利で0・2%台後半、変動金利で0・01%だ。
 大学に進学するかしないかで生涯所得は数千万円単位で異なる(大学に行く方が多い)。もともとの素質の問題があるので、この差の全てを大学の教育で説明するわけにはいくまいが、(大学によるとしても)多くの若者が大学に進学することで、生涯所得を1000万円よりはかなり多い金額で改善していそうだ。多くの若者にとって、大学の学費は「ペイする」支出だ。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
 問題は、その資金の捻出方法だが、例えばアルバイトと比較すると、奨学金の優位が明らかだ。飲食店などの大学生アルバイトの時給はせいぜい1000円台の前半だ。一方、大学を出て企業に就職して数年経って仮に年収が500万円になると、時給は2500円だ(年間250日、1日8時間勤務で計算)。低利の借金で大学に行くことで生涯所得が増え、しかも、卒業数年後に大学在学中よりも2倍以上効率良く稼ぐことができるのだから、奨学金は「良い借金」だと考えていい。
 大学進学のメリットは主に進学する本人が享受する。本人が学費を負担することは、おおむね合理的だ。もちろん、親が返済を助けてもいいし、条件を親子で話し合うといい。また、子供の学費を全て負担すると、親の老後資金が足りなくなる家計が少なくないのが現実だ。
 奨学金は利用して構わない。残る問題は、本人が、部活やアルバイトよりも時間を使う価値のある勉強をすることができるかどうかだ。(経済評論家・山崎元「経済快説」zakzak 2018.02.22

バイト漬けの学生生活

「大卒」に隠れた溝

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