「喫煙ヘイト」どうにかならぬか
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「喫煙ヘイト」どうにかならぬか

今年は「ヘイト」という名の嵐が猛威を振るった。在日コリアン、LGBT、安倍政権、ネトウヨ…。枚挙にいとまがない、とはこのことである。むろん、その標的は喫煙も例外ではない。たばこの締め出しが一段と進む昨今だが、極端に先鋭化する「喫煙ヘイト」、どうにかならぬか。

今年は「ヘイト」という名の嵐が猛威を振るった。在日コリアン、LGBT、安倍政権、ネトウヨ…。枚挙にいとまがない、とはこのことである。むろん、その標的は喫煙も例外ではない。たばこの締め出しが一段と進む昨今だが、極端に先鋭化する「喫煙ヘイト」、どうにかならぬか。

いずれはチョコやコーヒーも

非難しても何も生まれない

「思いやり」に騙されるな

厳しくなる眼差し

災いの2018「喫煙ヘイト」

 2018年の流行語大賞が「そだねー」に決まった。平昌五輪の女子カーリングで銅メダルを獲得した「ロコ・ソラーレ北見」のメンバーが試合中に交わした掛け声だが、北海道特有のイントネーションと彼女たちの愛らしさも話題になった。
 流行語大賞の選考基準については以前から賛否はあるが、それはさておき個人的には「そだねー」よりも、あえて「ヘイト」を推したい。「ヘイトスピーチ」は2013年にベスト10に選ばれているが、その略語としてのヘイトも、今年を象徴するワードだったと思う。
 そもそもヘイトの語源は、人種や宗教、性的指向、障害などを理由に差別や敵対心を煽る憎悪表現に由来するが、この言葉が本来の意味通りに使われたのであれば、特に疑問は感じない。ただ、今年は自分と異なる嗜好や考えを持つ人に対し、軽々しくヘイトという言葉でくくって攻撃対象にする事例が後を絶たなかった。
 中でも、「ネトウヨ」を標的にしたヘイトは酷かった。むろん、ネトウヨと呼ばれる人たちの中には、在日コリアンや性的少数者らを誹謗中傷し、一方的に差別を煽るような行為を繰り返す輩がいるのも事実である。それが許されざる行為であるのは当然だが、なぜか政権寄りの考え方や保守的な政治思想を持つ人までが、ひとくくりに「ネトウヨ」呼ばわりされ、排除されるケースが目についた。「ネトウヨ春のBAN祭り」などと題し、動画投稿サイトYouTubeで一部の動画が大量に削除された問題はその一例であろう。
千葉県佐倉市内の道路にある
喫煙禁止区域標識(ゲッティイメージズ)
 「ネトウヨ動画を潰そうぜ」。今年5月、匿名掲示板サイトのこんな呼び掛けをきっかけに、保守系言論人らの投稿動画が運営側によって次々に削除された。その数は一説に20万本以上。ユーザーの通報によって削除された動画の中には、明確な差別表現があったとは言い切れないものも含まれており、何を基準に運営側が削除に踏み切ったのか、それも判然としないのだからタチが悪い。そもそも、ネトウヨという言葉自体、侮蔑的な意味で使われることが多く、一方的にネトウヨと決めつける行為も立派な差別だと思うのだが、なぜかそれは不問らしい。
 いや、特定の思想や嗜好を排除する動きは、これだけにとどまらない。喫煙をめぐる排除規制も同じだ。「喫煙者は採用しない」と公言する企業まで現れるご時世である。今年7月には受動喫煙防止をうたった健康増進法の改正案が成立するなど、社会全体でたばこの締め出しが一層顕著になっている。筆者はこうした動きを「喫煙ヘイト」と勝手に呼んでいるが、世の嫌煙家たちのそれは、年々激しさを増していないだろうか。
 誤解を恐れずに言えば、ひとたび「ヘイト」と認定されると、もう議論すらままならなくなる。一方的な考えを相手に押し付けて何かを排除できる世の中は、やはり異常であると言わざるを得ない。問題解決のために異なる意見を持つ同士がなぜ議論を交わすこともできないのか。ネトウヨ認定もそうだが、このたばこ排除の動きも、言うなればただの感情論である。
 そういえば、2018年の世相を漢字一文字で表す今年の漢字は「災」だった。愛煙家の筆者にとっては、喫煙規制がまた一段と進んだ今年を象徴する漢字でもあったと、しみじみ思う。(iRONNA編集長、白岩賢太)

「喫煙者不採用」という包囲網

忍び寄る「息苦しさ」

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