「消費税10%」は必ず阻止できる
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「消費税10%」は必ず阻止できる

来年度の税制大綱が決まった。特筆すべきは「消費税率10%を来年10月に確実に実施する」と明記された点であろう。増税に合わせ、飲食料品などの税率を据え置く軽減税率が導入されるとはいえ、景気の足を引っ張るのは確実である。消費増税を阻止する手立ては本当にないのか。

来年度の税制大綱が決まった。特筆すべきは「消費税率10%を来年10月に確実に実施する」と明記された点であろう。増税に合わせ、飲食料品などの税率を据え置く軽減税率が導入されるとはいえ、景気の足を引っ張るのは確実である。消費増税を阻止する手立ては本当にないのか。

こうすれば減税できる!

軽減税率は望ましくない

納得できる大義名分

悪影響は見ないふり

 内閣府の景気動向指数研究会(座長=吉川洋・立正大教授)は、2012年12月から続く景気拡大期間が17年9月の時点で、「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目となったと正式に認定した。景気拡大は現在も継続中であり、今月で戦後最長に並ぶことが射程圏内に入っているという。
 景気拡大の戦後最長記録は、小泉政権下の02年2月から08年2月までの73カ月。2位がいざなぎ景気の57カ月だ。内閣府が発表している景気動向指数(一致指数。15年=100)をみると、12年11月の91・2が底で、その後は上り坂になっている。これは、野田佳彦政権から第2次安倍晋三政権への政権交代と完全に軌を一にしている。
開かれた景気動向指数研究会=2018年12月、東京都千代田区(共同)
内閣府の景気動向指数研究会=2018年12月、東京都千代田区
 問題なのは、14年4月の消費増税によって景気が後退したかどうかだ。景気動向指数をみると、14年5月に105・6をピークにゆっくり低下し、16年5月に97・9となった。その後、緩やかに上昇し、18年10月に104・5となっている。景気動向指数(一致指数)は、(1)生産指数(鉱工業)(2)鉱工業用生産財出荷指数(3)耐久消費財出荷指数(4)所定外労働時間指数(調査産業計)(5)投資財出荷指数(除輸送機械)(6)商業販売額(小売業、前年同月比)(7)商業販売額(卸売業、前年同月比)(8)営業利益(全産業)(9)有効求人倍率(除学卒)-を総合して作成されている。
 この中では、大規模な金融緩和によって企業、収益指標や雇用指標は良かった。しかし、消費増税後は消費関連指標が悪かったので、結果として景気動向指数が悪化した。消費増税の悪影響について、本コラムの読者であれば、筆者が1年にとどまらず2年程度は継続すると主張していたことを記憶しているかもしれない。実際にその通りだったと言ってもいいだろう。最近の景気動向指数は増加している。といっても、その増加ペースがあまりに緩やかなために、一般の人にはなかなか認識しづらいのも現実だ。
 ところで、消費増税後の悪影響により景気が後退したとの見方について、この研究会はこれまで否定してきている。そのロジックは、12年11月の谷以降、明確に「山」が見つからないというものだ。それに、景気動向指数のもとになる経済指標の入れ替えという技術的な要因もあるとも主張している。しかし、正直にいって、景気動向指数(一致指数)のデータを素直に見る限り、消費増税の悪影響はその前後ではっきり出ており、筆者は研究会の意見を理解できない。研究会の座長は、消費増税しても景気への影響は軽微だと、消費増税前に発言したことがある。結果として間違いだったが、その後の研究会の意見が左右されたようにも思われ、すっきりしない印象だ。
 いずれにしても、消費増税さえなければ、誰の異論もなく戦後最長の好景気になっていたはずだ。そして来年再び消費増税すれば、景気の腰を折ってしまうことになるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一 zakzak 2018.12.19

複雑な対策は好かれない

キャッシュレス化の是非

軽減税率の影響

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